トップメッセージ

2025年 創業記念日に際して

2月9日は、フジテック株式会社の創業記念日です。当社は、お客さまやご利用者さまをはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼で、事業を継続することができており、今年で創立77周年を迎えました。当社をご支援くださっているすべてのステークホルダーの皆さまに心から感謝申し上げます。

当社は、新たな成長に向けて、昨年の5月に、5カ年の新中期経営計画「Move On 5」を発表しました。2028年度には、成長率8%を維持し、売上高3,250億円、収益性の向上により、営業利益440億円、営業利益率としては、13.5%の達成を目指す計画です。「Move On 5」は、新生フジテックの「不易流行」の経営に基づき策定されています。「不易流行」の不易、すなわち「変えてはならないもの」は、「“安全・安心”の追求」「品質重視」「人材の育成」の3つです。そして「不易流行」の流行、すなわち「変えるべきもの」は、「選択と集中」、「グループ経営の強化」、「ガバナンスとコミュニケーションの充実」の3つを掲げています。

従業員一同、77年目の新たな一歩を踏み出し、日々最大限の努力をし、更に大きく成長し、人材の育成に励むことで、良い会社、新生フジテックの実現を目指してまいります。

私は、新年の年頭挨拶のなかで、「2025年は、『不易流行』の経営を引き続き実践し、確実に結果を残して、オールフジテックでバリューを更に高める年にしたい」と申し上げました。そのためには、多くの課題を解決する必要があると思います。まずは個の力を高めて、組織の力にしなければならないと考えています。つまり、結束力を高めることです。この結束力を高めるためには、「隣の人に関心を持つ」ことが大切だと考えています。

「隣の人に関心を持つ」ということは、上司や同僚、取引先を含めて関係するすべての相手を思いやる心です。もちろん、家族や知人をはじめ、関わる人すべてにおいて関心を持つことも大事です。仕事上でも、何か困っているようだったら、遠く離れていても、常に声をかけるそのような人材が集う組織となれば、職場風土は今まで以上に変わると考えています。相手に関心を持ち、互いに思いやることで、信頼関係が更に高まります。相手のことを知り、真摯に対話をすることで、人と人との結びつきは強くなると信じています。私自身、海外の地で働いた経験が長く、このことからも「隣の人に関心を持つ」ことの重要性を体感しています。そして、互いの信頼関係を構築できますと、それがご縁となり、そのご縁を長期にわたり大切できる企業文化となれば、更に一層結束力が高まると考えています。

「Move On 5」の完遂に向けて、全社の一体感を高めるとともに、世界中の皆さんから喜ばれるイノベーティブな商品・サービスを提供し続けられますよう、「Move ON.」、このフレーズが示す通り、前進してまいります。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

創業記念式典の様子

取締役 佐藤浩輔
代表取締役社長 原田政佳
代表取締役専務 中島隆茂

2025年 年頭所感

皆さま、

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、新年のスタートにあたり、私から年頭のご挨拶を申し上げます。

今年の干支は、「乙巳(きのと・み)」です。

「乙巳(きのと・み)」は、「努力を重ね、物事を安定」させるという意味と言われています。私としては、「今できることを実行し、結果を残すことに強くこだわり、期待以上の成果を納めること」だと考えています。その結果、当社の実力が上がったと内外から認めていただける年にしたいと思います。

当社は昨年5月に5カ年の新中期経営計画「Move On 5」を発表いたしました。「Move On 5」では、2028年度に成長率8%を維持しながら売上高3,250億円、収益性の向上により営業利益440億円、営業利益率としては13.5%の達成を目指す計画です。

足元の業績としては、グローバル全体を見た場合、多少凸凹はあるものの2024年度の中間決算は、増収増益で、受注額、売上高、営業利益、経常利益などが、第2四半期として過去最高を更新しました。特に日本での価格改定や働き方の改革など採算性が向上し、全体の収益改善に大きく寄与しています。

昨年を総括しますと、2024年は、オールフジテックでバリューを更に高めるための素地が整った年だったと振り返っています。これからもお客さまやご利用者さまと真摯に向き合い、最高の商品・サービスをご提供してまいります。

そのうえで、2025年は「不易流行」の経営を引き続き実践し、確実に結果を残し、オールフジテックでバリューを更に高める年にしたいと考えています。

昨年、当社が初めて海外進出を果たしましたフジテック・ホンコンで60周年を迎えましたが、今年は、中国の華昇フジテックで30周年、フジテック・パシフィックでは40周年を迎えます。当社のグローバル事業は、香港からスタートしましたが、各地で当社の技術力をグローバルで磨き続け、いまでは、24の国と地域で事業展開するまでに至っています。現在、海外売上の比率が6割以上、外国籍従業員の比率が7割まで成長し、グローバル企業として発展しています。この強みを生かし、更にそれぞれの市場の特徴を掴み、事業を拡大して参ります。特にアフターマーケット事業を更に強化し、フジテックのモダニゼーションを全世界に広げていきたいと考えています。今後もお客さまと良い関係性で、引き続きご利用者さまから信頼されるようオールフジテック一丸となって努めてまいります。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

始業式の様子

記者懇談会にあたって

皆さま、本日は年末のお忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。まずは私から年末年始を迎えるにあたり2024年の総括と2025年の展望についてお話します。

私が社長に就任し、新生フジテックとして、約1年半が経過しました。この間、新中計「Move On 5」の発表の他に、全社組織の再編や経営会議体の見直しなど様々な改革を実行し、まだまだ課題はあるものの、今まで以上に部門間やグループ間で密なコミュニケーションを行ってきた結果、全社一丸となって総力をもって取り組む体制づくりができ、良い方向に向かっていると実感を持っています。
今年は、オールフジテックでバリューを更に高めるための素地が整った年だったと振り返っています。事業面でアピールする点としては、日本、グローバルでは台湾、インドをはじめ、海外のモダニゼーション案件は強く、日本では、昨年の麻布台ヒルズの110台の納入に引き続き、今年の夏に全面開業した渋谷サクラステージにエレベータ・エスカレータを合計102台納入しました。

事業運営にあたっては、現場主義を徹底して、グローバル法人や国内各職場を訪問し、従業員との「コミュニケーションの充実」を大切にしてきました。従業員との対話を重ねて「Move On 5」の確実な実行と必達を伝えてきました。今年は、国内の支店や台湾、韓国・タイ・インドネシア・ベトナム・香港・米国を訪問し、各地の景況感を実際に確認してきました。特に、当社が初めて海外進出した香港の法人では今年60周年を迎えています。私も入社して間もなく香港に赴任して20年ほど勤務しました。当社のグローバル事業は、この香港からスタートし、当社の技術力をグローバルで磨き続け、いまでは、24の国と地域で事業展開するまでに至っています。

当社の不易流行の不易、「変えてはならないもの」は、「“安全・安心”の追求」と「品質重視」、「人材の育成」の3つです。これらは当社独自の強みでもあります。「“安全・安心”の追求」は従業員、お客さま、ご利用者さま、すべてのステークホルダーの皆さまに対して“安全・安心”を最優先とする姿勢や実行はこれからもブレることはありません。「品質重視」については商品・サービスの品質向上に留まらず、私たちの業務の品質、そして経営の品質を高める活動を続けております。また更なる商品品質の向上を目的に、昇降機の部品解析・評価を行う品質ラボが来年稼働します。「人材の育成」については従業員の意識変革には日頃の職場環境も重要であるとの考えで、今年は従業員が生き生きと働ける職場の整備に向け、制度や施策を充実させました。その中の一つとして、奨学金返済支援制度を導入しました。新入社員に加えて在籍社員も対象にすることや卒業学校での区別をなくし公平性を担保した制度と多くの報道機関から取り上げられるなど高く評価いただいています。今後も社員の経済的・心理的負担を軽減し、業務に専念できる環境をできるだけ多く提供したいと考えています。
当社の女性従業員が自らの活動を自ら活躍を紹介する「フジテック・ブライト」をSNSでスタートした。このような活動を通じて、女性がさまざまなライフステージにおいても安心して、長く働くことができる環境や幹部職育成にも力を入れていきたいと考えています。このように奨学金返済支援や女性活躍推進等により「人材の確保・定着・育成」を強化しています。

不易流行の流行「変えるべきもの」については「選択と集中」、「グループ経営の強化」、「ガバナンスとコミュニケーションの充実」の3つを掲げていますが、日々革新に努め、本質的な課題を見つけ改善を続けています。
「不易流行」の活動を通じて、オールフジテックで当社の企業価値、すなわちバリューを更に高めていきます。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

■記者懇談会にあたって(技術領域における2024年の総括と2025年の展望)

中島から技術管掌の視点で2024年の総括ならびに2025年の展望についてご説明いたします。

まず、2024年の総括ですが、5月に発表した新中計「Move On 5」の完遂に向けて、まず現場の実情・課題を把握するために各地を訪問いたしました。国内では「専務キャラバン」と題して国内の主要拠点をすべて訪れ、研究開発、生産、営業、据付、保守を担う従業員から話を聞き、またグローバルは、東アジア、南アジア、北米を中心に各国・地域の課題を現地現物で確認した上で、初年度から積極的に技術的な打ち手を講じてまいりました。

4点ほど事例申し上げますと、
1点目は新しい要素技術のグローバルへの展開拡大です。利用者がエレベータの乗場に向かう際に行先階を自動で先行登録する「EZ-SHUTTLE(イージーシャトル)」といった要素技術も香港や台湾、インドネシア等グローバルでお客さまに訴求し新設、リニューアルで完成につなげてまいりました。また一度に多くの人を運ぶことができるダブルデッキ(2階建て)エレベータは、日本の麻布台ヒルズをはじめ大規模再開発エリアでの導入が進んできております。
2点目は、据付技術の革新です。建築業界における人材不足を背景に据付自動化・ロボット化といった技術開発を進めており、来春滋賀のエレベータ研究開発・生産拠点で稼働する品質ラボにおいて更にその開発・検証を加速してまいります。
3点目は、最新技術による昇降機のイノベーションとして、AIやIoTといった最新技術を応用したメンテナンスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めております。例えばシンガポールの遠隔監視の導入、日本では「エレモリ」というビル管理者向けにスマートフォンやパソコンを通じてエレベータの稼働状況の確認や、エレベータの各種設定変更や次期点検日のお知らせ、点検結果の報告等の行うウェブサービスを拡充させ、また成長著しいインドでも同様のデジタルツールや遠隔監視システムの開発を開始しました。
最後の4点目ですが、新しい時代にふさわしい昇降機として、すでに一部の市場で稼働しておりますが、エレベータとロボット連携技術など次世代ニーズに向けた新領域の領域開拓にむけ更なる開発も進めています。

続いて来年2025年の展望としては、昇降機そのものに加えて、これまで述べた、2階建てのダブルデッキエレベータやロボットやIT・AI技術などを活用し、エレベータ・エスカレータの商品ならびにサービスの付加価値を向上したソリューションサービスに力を入れていまいります。

その一方で、足元の本業も強化してまいります。2025年は、日本で5年ぶりとなるエレベータの標準機種「エレ・グランス」の販売を開始します。また需要が高まるアフターマーケット事業は、特にリニューアル商品を拡充し更に力を入れて収益改善を図ってまいります。グローバルにおいても新設・アフターマーケット事業ともに、エリアの市場特徴を掴んだ事業展開を強化してまいります。具体的には高級仕様のエレベータには世界最高水準の日本品質(美しさ・おもてなし)を駆使した商品・サービスを展開し、ボリュームゾーンには、良品廉価な商品やサービスの提供を進めてまいります。

その上で忘れてならないのは、当社が掲げている「不易流行」の不易の一つである「品質重視」の考えであり、それを体現する施設として先ほど申し上げた品質ラボを来春から稼働します。ここでさまざまな新商品・技術・サービスの検証を繰り返し、品質を高めてまいります。そして、「“安全・安心”の追求」を極めて、グローバルも含めたグループ経営の強化につなげてまいります。


フジテック株式会社
代表取締役専務
中島隆茂

懇談会の様子

フジテック・ホンコン60周年を迎えて

おかげさまで、フジテック・ホンコンは、60周年を迎えました。

これもひとえに、フジテック・ホンコンの従業員、お客さま、ご利用者さま、パートナーをはじめ関係各位の御支援の賜物と心より御礼申し上げます。

当社は、1948年、日本で創業し、わずか15年ほど経った1964年に、フジテック・ホンコンを設立して、海外進出がスタートしました。この香港から当社の技術力をグローバルで磨く、経営理念にある「世界の国々で、世界の人々とともに創る」ということを実践してきました。いまでは、24の国と地域で事業を行っています。昨年度の売上規模は2,294億円、営業利益は、145億円で、海外売上の比率が6割以上、外国籍従業員の比率が7割、全世界に300を超えるサービスステーション、150を超える営業拠点を持ち、約11,800名の従業員によって国内外のビジネスが支えられています。ここまで当社がグローバル企業として発展したことは、フジテック・ホンコンで事業の成功が後押しして、ここまで大きく成長したといっても過言ではありません。

この私自身のこれまでのキャリアパスはここ香港とのかかわりが大きく、私は大学卒業後、新卒でフジテックに入社し、ホンコンに20年、その後、約15年間日本で勤務し、その後、中国に4年と、結果的に私のキャリアの半分以上は海外での仕事となりました。私は、お客さまから叱咤激励を受けながら、ホンコンのビジネスを通じて大きく成長することができたと考えています。香港の皆さんに感謝をしております。お客さまからはフジテックの商品やサービスは品質が高い、一流である、世界で一番だと評価されることも多々ありました。まさに「有志者意成也」です。私が担当したお客さまは現在においても、当社製をご愛顧いただいており、非常に長期にわたってお客さまと関係性を維持させていただいています。私は香港で貴重な経験をし、現在の私の意思決定の判断する際に大いに役立っています。

私は、2023年6月にフジテックの社長に就任し、「不易流行」の考え方に基づき、新生フジテックの経営を行っています。私たちは、長年、お客さまの信頼を獲得し続けており、前年度においては、売上、利益ともに過去最高を更新し、着実に業績を伸ばしてきました。更なる飛躍を遂げるために、今年に5カ年の新中期経営計画「Move On 5」を策定し、2028年度までに売上高3,250億円、成長率8%を維持しながら、収益性の向上により営業利益は440億円、営業利益率13.5%の達成を目指します。
オールフジテック一丸となって目標達成に向けて、更に大きく前進してまります。

今後ともフジテック・ホンコンをはじめオールフジテックに対しまして、皆さまからご支援・ご指導を賜りたく存じます。そして、当社の経営理念である、「フジテックは、人と技術と商品を大切にして、新しい時代にふさわしい、美しい都市機能を、世界の国々で、世界の人々とともに創ります。」の実現を目指し皆さまにより一層御満足頂けますよう、真心をこめて業務に専念する所存でございます。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

式典の様子

ごあいさつ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当社は77期定時株主総会ならびに同日開催された取締役会において役員が選任され、新体制となりました。
役員一同決意も新たに皆さまのご期待に添えるよう一層の努力を尽くす所存でございます。

私たちは過去の成果、課題を踏まえ、より長期的なスパン、10年後の目指す姿として「日本の専業メーカーならではの美しさとおもてなしを誰もが実感できる業界トップの信頼のブランドを確立」することを当社の長期ビジョンに掲げています。社会インフラを支える昇降機の専業メーカーとして、“安全・安心“、品質を最優先とした競合優位性と独自性の高いNo.1の商品・サービスの提供を通じて、ステークホルダーのみなさまから信頼されるブランド、「フジテックブランド」を強化してまいります。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

関連情報

役員情報

フジテック株式会社
代表取締役社長 原田政佳
代表取締役専務 中島隆茂
取締役 佐藤浩輔

新中期経営計画「Move On5」の決意

2024年度から2028年度までの5カ年新中期経営計画「Move On 5」について、私の強い思いをお話いたします。

私は昨年6月の株主総会にて株主様からご信任をいただき社長に就任し、新しい経営体制のもと、新生フジテックをスタートさせました。新体制発足直後には、国内とグローバルの事業を技術・生産部門と管理部門が支える形に組織再編を行い、また昨年9月に行いました社長就任会見では「不易流行に基づく、新しいフジテック経営のあり方に関する所信表明」を行った上で、全てのステークホルダーの皆さまとの対話を重視し、ガバナンスの強化にも積極的に取り組んでまいりました。そして、私たちの不易流行の経営を前進させるという意味で、昨年末から「Move ON」というキーワードを使い、社内外での展開と浸透に努めてきました。この度の新中期経営計画は、今年度からの5年間で「不易流行に基づく、新しいフジテックの経営」をやり切るという強い意志を込めて、「Move On 5」と名付けております。

新中期経営計画「Move On 5」は、2028年度までに売上高3,250億円、成長率8%を維持しながら、収益性の向上により営業利益率としては13.5%、売上総利益率としては26%までの改善を、各地域、各事業での横断的な成長により達成いたします。この成長目標を達成するために全社戦略として「3つの柱」を掲げています。
一つ目が、「地域/事業ミックスの選択と集中」です。各地域の戦略的な位置づけを明確化したうえで、各地域、事業の取り組みの方向性を定め、収益改善を目指します。
二つ目が、「高品質と高収益性の両立」です。当社の強みである品質を高めながら、グループの総力を挙げてマージン改善を目指す取り組みになります。
三つ目が、これらを推進する上で必要不可欠な、ガバナンス、ESGをはじめとする「強靭な事業基盤の構築」です。

これら3つの柱の遂行を通じて、新中期経営計画「MoveOn5」の5年間で、事業を更に成長させ、品格高く優秀な人材を集めることにより、当社の企業価値を更に高め、すべてのステークホルダーの皆さまに還元するポジティブスパイラルを作り出してまいります。この内容を聞いて、非常にアグレッシブな目標だなと思っていただけると我々も本望で、新しい経営体制のもと、組織体制の変更、従業員の変革意識の醸成などをしっかりと進めてきており、「Move On 5」を完遂させるべき素地はできあがっております。そして、何よりも私たちには、そのポテンシャルがあると考えています。

私の30年以上前の経験談で恐縮ですが、香港の現地法人であるフジテック・ホンコン駐在時に、世界的に有名なザ・ペニンシュラ様に当社エレベータを納入しました。その際に、このホテルグループのオーナー様から「ペニンシュラは世界一のホテルである。ペニンシュラに関わるものはすべて世界で一番である。つまりエレベータについても世界一のものを指名している」と仰っていただき、我々が世界一であると認められていることに気付かされるとともに自信が溢れ出し、「やる気」と「強い意志」さえあれば、世界で一番だと評価されるのだということを学びました。このことは、今でも、私が仕事をする上での決してぶれない軸になっています。現在においても、ザ・ペニンシュラ様では当社製をご愛顧いただいており、当社は世界一や日本一と言われる場所に多くのエレベータ・エスカレータやサービスを提供させていただいています。

このように私たちは実績とポテンシャルを持ち合わせています。オールフジテックの役員、従業員が一致団結して、「スピード感」と「危機感」を持って取り組むことで、「Move On 5」の目標は必ず達成されると考えております。何よりも私自身が、不退転の決意と強い責任感を持っております。

最後に私から、「Move On5」に対する決意を申し上げます。私は、京都・龍安寺にある「つくばい」に刻まれている「吾唯知足(われ、ただ足るを知る)」という言葉を大切にしています。本来これは、「満ち足りていることだけをしっている」すなわち「物事に満足することの大切さ」を説く、禅宗の言葉ですが、私は、「今ある現状はすべて満足して受け入れる。そのうえで更なる改善に向かって最大限の努力をする」と独自の解釈をしています。「Move On5」を遂行する経営者として、「吾唯知足(われ、ただ足るを知る)」の信念で邁進してまいります。

関連情報
新中期経営計画「Move On 5」

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

新中期経営計画会見の様子

代表取締役社長 原田政佳
代表取締役専務 中島隆茂
取締役 佐藤浩輔

2024年度入社式に際して

素晴らしく晴れわたり、春の穏やかな陽気に包まれた今日、この日に、111名のフレッシュな新入社員を、オールフジテックの仲間に新たに迎えることができ、私自身、とても嬉しく思います。
皆さんが当社に入社していただき、オールフジテックの従業員を代表して心からお祝いとお礼を申し上げます。

今日から、皆さんは社会人としての第一歩を踏み出しました。皆さんにとって、これからの社会人人生が素晴らしい日々になることを心から望んでいます。私たちは、皆さんと一緒に仕事ができる日を楽しみにしていました。仕事を通じて、ともに成長し、明るく、楽しく、元気よく、輝かしい未来に向かって歩んでいきましょう。

さて、これから当社が皆さんとともに、何をベースにどう成長していくか、基本的な考え方を皆さんにお伝えします。
私たちは、経営理念を一番大切にしています。当社は経営理念として「人と技術と商品を大切にして、新しい時代にふさわしい、美しい都市機能を、世界の国々で、世界の人々とともに創ります」を掲げていますが、当社の目指す姿は、経営理念そのものです。当社はエレベータ・エスカレータの専業メーカーとして戦後の復興が進む1948年、大阪で創業し、今年で創業76年を迎えます。創業後そのわずか15年後には、香港に、はじめて海外進出し、現在では24の国と地域で事業を展開するグローバル企業に成長しました。創業以来、経営理念をよりどころに活動した結果だと考えています。

続いて、当社の強みをお伝えします。当社の強みの一つは、研究・開発から生産、据付、メンテナンス、保守をグローバルに一貫体制で提供するエレベータ・エスカレータの専業メーカーであることです。昇降機を知り尽くす企業だからこそ、お客さまの潜在的なご要望を把握し、独自の強い技術力で、“安全・安心”にご利用いただける品質の高い商品やサービスを提供できる力があります。
また、従業員のホスピタリティーの高さも強みです。ご利用者さまやお客さまから当社従業員の振る舞いに対して多くのお褒めの言葉をいただくことがあります。例えば、都市の移動手段としての社会インフラを守るため、日夜、エレベータ・エスカレータの保守点検を続けていますが、時には作業を中断して、エレベータを動かしてお年寄りの方に使っていただいたり、エスカレータの点検中に階段を使おうとしているご利用者様のベビーカーを運んだりしています。
皆さんには、当社の強みを確認するとともに、新たな強みを発見して、「フジテックらしさ」を一日も早く自分のものにしていただきたいと思います。

私は昨年6月にフジテックの社長に就任しました。就任以降、新しい経営体制で「不易流行」の精神で経営を進め、新生フジテックを目指しています。
当社の不易、すなわち変えてはならないものは、「“安全・安心”の追求」「品質重視」「人材の育成」です。創業当時から当社は“安全・安心”と品質を何よりも大切にしてきましたが、これらを支えているのは人材であり、この育成も最優先とすることが、当社のベースと考えています。一方、流行、変えるべきものとして、「選択と集中」、「グループ経営の強化」、「ガバナンスとコミュニケーションの充実」を掲げています。私たちはこの「不易流行」の精神で、当社は世界トップレベル企業、エクセレントカンパニーを目指していきます。この常に前を向き進化し続ける姿勢について、「前進する」という意味の「Move ON.」というキーワードに思いを込めて、国内外の従業員やステークホルダーに向けてさらなる理解促進を図っています。

皆さんが勤続25年目を迎える頃には、当社は100周年を迎えていると思います。皆さんには、フジテックの良さ、強みを、受け継いでいただき、100周年を担う次世代の人材として、会社をさらに大きく発展させていただきたいと思います。いまから会社をリードしていくという気概をもって、業務に積極的に闊達に取り組んでください。期待しています。

皆さんには、業務に取り組むにあたって「現場主義」と「グローバリゼーション」を徹底してほしいと思います。「現場主義」については、課題は現場にあり、また将来の課題に対する潜在的なヒントも現場にはあると考えています。問題の本質を見抜くためにも、自ら出向いて、自分の目で確かめて、直接話を聞いて、自ら手に取り、自ら考えて、自ら判断することを習慣にしてください。また、「グローバリゼーション」については、当社は海外売上が6割以上、外国籍従業員が7割のグローバル企業です。今後もグローバル企業として成長していくために、多様な価値観を持ち、グローバルな大局観で物事を捉え、現地の課題を解決できるグローバル視点が重要です。「現場主義」と「グローバリゼーション」。これがフジテックで仕事を行うためのビジネスマインドの基本だと認識してください。

さて、皆さんは、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、皆さんも学校の授業がリモートで行われ、多くの行事が中止になるなど、学生生活にも制約を余儀なくされました。私も似た経験をしており、コロナ禍によりメンバーやお客さまと十分な対面での交流がかなわないときを多く過ごしました。ただそれをきっかけにかつてないほど互いに関心を寄せ、心を通わせた、そのような4年間になったと思っています。皆さんも、相手を思いやる心を忘れずに、配属先の先輩や上司、同僚に対して、何か困っているようだったら常に声をかけるそのような人材になっていただきたいと思います。

互いに思いやることに必要な手段は双方向コミュニケーションです。「双方向コミュニケーション」の6つの秘訣をお伝えします。一つ目は「話かける(Speak)」、次は「気にかける(Mindful)」、3つ目は「会社の代表者として自立して話をする(Independent)」、4つ目は「相手の話を聞く(Listen)」、最後は「努力する(Effort)」です。これら5つの要素が大切です。そして6つ目は、これら5つの英語、Speak、Mindful、Independent、Listen、Effortの頭文字を並べてできるコミュニケーションに不可欠な「SMILE(スマイル)」、つまり「笑顔」です。心がけて実践してください。

これから始まるフジテックのキャリアを先輩社員も応援しています。オールフジテックの持続的な成長に、それぞれの分野、仕事で貢献してほしいと思います。
皆さんの活躍を心から楽しみにしています。
皆さんの新たな出発の日に、私からのお祝いのメッセージといたします。

本日は、おめでとうございます。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

入社式の様子

写真左から、代表取締役社長 原田政佳、代表取締役専務 中島隆茂、取締役 佐藤浩輔
フレッシュパーソンの代表挨拶
入社式の様子

2024年創業記念日に際して

2月9日は、フジテック株式会社の創業記念日です。当社は、お客さまや利用者さまをはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼で、事業を継続することができており、今年で創立76周年を迎えました。当社をご支援くださっているすべてのステークホルダーの皆さまに心から感謝申し上げます。

さて、先日2023年度の連結業績を、売上高2,300億円、営業利益145億円に上方修正することを発表いたしました。売上高・利益ともに過去最高を更新する見込みです。まだまだ解決すべき課題は残っていますが、この勢いを止めることなく、次なるステージに向けて進んでいきたいと思います。先日発表の通り2024年度から新しい中期経営計画をスタートさせる予定です。新中期経営計画は、昨年9月の社長就任挨拶において発表しました「不易流行」の精神で経営を進め、エクセレントカンパニーへと進化することをビジョンとして掲げます。私たちは「“安全・安心”の追求」「品質重視」「人材の育成」を変えてはならないもの(不易)として、そして「選択と集中」、「グループ経営の強化」、「ガバナンスとコミュニケーションの充実」を変えるべきもの(流行)として、更に明確にして計画を策定します。

新しいフジテックの実現には、従業員一人ひとりが、より上位の立ち位置で、物事を見て、今までのやり方や考え方を抜本的に変えていく必要があると思います。従業員全員で、先を見据え、学びを続け、お互いに力を合わせて、オールフジテックで変革を達成させる所存です。

今年は、お客さまをはじめとする、すべてのステークホルダーの方々から、「フジテックは変わった」「フジテックは結果を残している」と言っていただけるように、私たちのキャッチコピーである「Move On.」が示す通り、常に前を向いて進み、具体的な成果を掴む年にしたいと強く思っています。

すべてのステークホルダーの皆さまにおかれましては、
今後ともいっそうのご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

創業記念式典の様子

代表取締役社長 原田政佳
代表取締役専務 中島隆茂
取締役 佐藤浩輔

2024年年頭所感

新しい年が始まりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年のスタートにあたり、皆さまに一言ご挨拶を申し上げます。

元日には、石川県能登地方を震源とする最大震度7を観測した地震が発生いたしました。お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
繰り返し発生した大きな揺れや津波、さらには大規模な火災により、甚大な被害が出ており、平穏を取り戻すにはしばらく時間がかかる模様です。当社としても一日も早い現地の復興に全力を尽くして参る強い決意であります。

今年の干支は、「甲辰(きのえたつ)」です。
甲辰(きのえたつ)は「成功という芽が成長していき、姿を整えていく」という意味があります。まさに転換期にふさわしい年を表現しており、さらに今のフジテックの姿と重なり合うのではないかと思っています。私は、今年2024年を、具体的な成果を納める年にしたいと考えています。 「成功という芽が成長していき、姿を整えていく」の、「姿を整えていく」は、当社においては目標や成功に対して、準備が進んでいっていることと理解しています。

昨年、当社は75周年を迎えました。この節目の年となる6月の株主総会で、私が社長に就任して経営体制が一新しました。 その後、8月1日には、更なるスピードアップと持続的な成長を図るために組織変更を行いました。この組織変更の目的は、国内とグローバルの2つの事業を技術・生産部門と管理部門が支えるオールフジテックの推進体制の強化でした。そして、9月には、社内外に向けて「不易流行」の経営について発表しました。 この「不易流行」の経営については、社内外に更なる理解を促すために、「Move ON.」というキーワードを使って、今年はキャンペーンを推進していきます。

なお、本業においては、当社の格を一段上げた一年であったと考えています。
例えば、昨年11月に開業した「麻布台ヒルズ」(ダブルデッキ16台を含む、国内プロジェクトとして過去最多の合計110台を設置)をはじめとする数々のプロジェクトを納入しました。一方、海外では南アジアが好調で、インドの大規模住宅プロジェクトで538台の大型受注や、シンガポールでは当社を代表するジョブの一つであるOUBセンターのリニューアル工事が完成しました。

先述の通り、当社において、今年の干支の「姿を整えること」は整いつつあると考えていますが、「成功という芽を成長させていく」ためには、これまで以上にオールフジテックの従業員同士が絆を強めあうことだと考えています。一致団結して仕事に取り組むことは一人で行うよりも強力で、成功に到達するまでのスピードも異なります。これにより会社は成長し、強くなっていくと信じています。

今年も、オールフジテックの経営を更に推進していくために、経営の進め方の基本として、「不易流行」の考え方をベースとしていくことに変わりありません。不易として、「“安全・安心”の追求」、「品質重視」、「人材の育成」、そして、流行として、「選択と集中」、「グループ経営の強化」、「ガバナンスとコミュニケーションの充実」です。

今年は、今まで以上に業務の品質を上げて、会社として格を上げて、一人ひとりが、互いに関心をもって、視野を広げて、視座を高めて、視点を変えて、従来のやり方を更に改めることが求められます。
今年をオールフジテックで具体的な成果を上げる一年にしてステークホルダーの皆さまに良い会社になったと実感して頂ける年にしたいと思います。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

写真左より 取締役 佐藤 浩輔、代表取締役社長 原田 政佳、代表取締役専務 中島 隆茂

エレベータ・エスカレータの未来を守る

創業75周年の節目に、新経営体制がスタートしました。 これからも当社の企業文化を大切に、事業の根幹である“安全・安心”を最優先とする、製販一体の一貫体制を強みに、長期にわたる品質の高い商品・サービスの提供を欠かさない事業活動を継続してまいります。引き続き、お客さまをはじめ、ステークホルダーの皆さまから厚い信頼を寄せていただけることを第一とする経営に変わりはありません。

エレベータ・エスカレータという人命を預かる重要な社会インフラを担う以上、当社の安定経営の重要性は非常に高く、これを守るために、経営陣が力を合わせてチーム経営を実行し、フジテック・グループをリードします。そして国内外のグループ会社全社が一丸となって、お客さま、ご利用者さまにご安心いただける商品・サービスの納入と長期間にわたる機器の維持管理をお約束します。

また、AI、IoT、ロボティクスをはじめとした技術の進化、温暖化による地球環境の問題、地震などの甚大な広域災害の発生など、昇降機の事業環境も大きく変わろうとしています。いままでは、タテ・ヨコ・ナナメの移動手段をご提供してきましたが、これからは情報、物、人のこころなど、いろいろなものとつながることで、昇降機、建物、都市の価値は更に高まると思います。昇降機の未来は明るく、エレベータ・エスカレータの役割は、更に広がっていきます。

「変えるべきこと、変えないこと」。不易流行の考え方に則り、私たちは、当社の経営理念をパーパスとして、過去の経験、やり方に固執することなく、本質的なところは生かしつつ、上手に更新して、柔軟に対応していきます。真に変化に対応できる企業として、すべてのステークホルダーの皆さまと協業して、蛻変(ぜいへん)の考え方で進化を遂げていきます。

社会インフラのエクセレントカンパニーを目指し、「現場主義」、「グローバリゼーション」を徹底し、人を大切にした経営を継続し、生き生きと輝いて自信に満ちた従業員が多い、働き甲斐のある会社を築くことが新経営チームの使命だと考えています。

「新しいフジテックを作っていく」。フジテック・グループ全従業員の仲間とパートナーの皆さまとともに、次の100周年に向けてこの想いを一緒に共有し、ステークホルダーの皆さまに期待され応援いただけるよう、邁進して参ります。

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

写真左より 取締役 佐藤 浩輔、代表取締役社長 原田 政佳、代表取締役専務 中島 隆茂
写真左より 取締役 佐藤 浩輔、代表取締役社長 原田 政佳、代表取締役専務 中島 隆茂

2023年9月19日代表取締役社長 原田政佳 社長就任会見