Sustainabilityサステナビリティ
地球温暖化が深刻化する中、美しい地球を次世代に残すことが社会的責任であると考えています。
当社は環境に配慮した商品・サービスの開発に加え、ISO14001に基づいた温室効果ガスの削減の推進や、TCFDに準拠した環境戦略の策定、業務合理化による環境効率性の向上に取り組むことで、気候変動に対応した脱炭素社会へ貢献してまいります。
フジテックは、持続可能な社会の実現に向け、事業活動を通じて環境との共生を図ります。
2030年までに2019年スコープ1, 2比 温室効果ガス46%削減
2023年のスコープ1、2のCO2排出量は、10.8%(基準年2019年比)減少し、23,670トンでした。売上高原単位は、2019年の14.6t/億円から29.5%(基準2019年比)減少し10.3t/億円に低下しています。当社は環境や社会にやさしい企業として、脱炭素など社会的課題の解決に向けて、社会インフラを担う当社ならではの貢献ができることを検討し、社会的責任を積極的に果たしていきます。脱炭素の取り組みとしては、今後はサプライチェーンの取引先との情報共有を進めてまいります。
※ 対象範囲:日本国内の本社・支社・工場・支店・営業所・サービスセンター
1993年3月、当社は国内エレベータ業界で初めて、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」の認証を取得。これにより、受注、設計、生産、据付、メンテナンスに至るまで、一貫した品質保証体制が証明されました。
1999年7月には、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証も取得しています。
International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称。各国の代表的標準化機関からなる国際標準化機関で、電気・通信および電子技術分野を除く全産業分野に関する国際規格の作成を行う。
新標準機「エクシオール」は、運転で発生する回生電力をエレベータ以外の設備に有効利用することで、建物全体の省エネに貢献。
(従来、回生電力は熱として消費)
巻上機をギア付きからギアレスモーターに交換で機械効率が向上し、電力制御をインバータ方式に変更で細かな速度調整を実現。低電力化でCO2削減に貢献。
当社のグローバル事業における主力商品ラインである ZEXIA・REXIAとELSIAのEPDが、欧州向けにInternational EPD® System に公開されました。 EPDはISO 14025に準拠した、タイプIII環境ラベルの認証プログラムであり、cradle-to-grave (ゆりかごから墓場まで)のコンセプトに基づくライフサイクルアセスメント(LCA)の最終報告書をリーフレット形式のデータで公開したものです。商品のライフサイクルを通じた環境への影響に関する情報を提供することで、消費者や使用者が自ら環境に配慮した商品を選択し、購買することが可能になります。
フジテック・タイワンは、台湾のグリーンエネルギー政策へ賛同し、新竹工場の屋根を太陽光発電事業者に貸し出しています。
事業者は太陽光発電パネルから年間 17 万 kWhの電力を発電しており、グリーンエネルギーの創出に貢献しています。また、発電パネルの設置により屋根に直射日光が当たらず、工場内の温度を下げ、作業環境を向上することにも寄与しています。
アルゼンチンでは主に夏にかけて、電力供給不足による停電が頻発します。フジテック・アルゼンチンでは、事務所の屋上に、ソーラーパネルを設置しています。再生可能エネルギーによって停電に影響されず業務を進めることができると同時に、CO2の排出量削減にも貢献しています。
フジテック・インドでは、需要が高まるインド国内での拡販や南アジア地域への輸出拡大を目的として、第二工場を建設しました。塗装ラインではインド政府の公害防止委員会によって承認された排水処理プラントを新たに設置しています。
塗装工程は「ゼロ・リキッド・ディスチャージ(ZLD)※
」になっており、排水はいくつもの処理プロセスを経て、クリーンな水に戻しリユースされています。
※ 無排水化
サプライチェーンにおけるCO2排出量の議論では、製造に直接関わる分野だけでなく、輸送分野を含むあらゆる事業活動でCO2排出量の削減が求められています。
当社はロジスティクスの一部においてセンコー株式会社が運行・管理を行う「ダブル連結トラック」を運用しています。「ダブル連結トラック」は、大型車(10トン)2台分の貨物を一人のドライバーで輸送できる全長約25mのトラックです。これにより、CO2排出量が約3割、ドライバーの運転時間は年間約4割削減することができます。ビッグウィング(滋賀県彦根市)から物流ハブである東京デポ(東京都大田区)および大阪デポ(兵庫県尼崎市)へエレベータ部材を輸送しています。現在は他社さまとの共同運行2車両と当社専有運行1車両の合計3車両(トラック4台分)の輸送にダブル連結トラックを利用しています。
当社の取り組みが評価され、2023年6月、一般社団法人 日本物流団体連合会主催「第24回物流環境大賞」で特別賞を、国土交通省・経済産業省主催「令和4年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」で部門賞を受賞。また2024年には 「令和6年度 物流パートナーシップ優良事業者表彰 強靭・持続可能表彰」を国土交通省・経済産業省から受賞しました。荷主として、社会・パートナー企業・自社のすべてにとって利益のある“三方よし”の輸送方法を積極的に選択し、社会課題の解決とサステナブルな社会の実現に貢献します。
当社では、地球環境保護の一環として、ハイブリッド車を導入しています。ハイブリッド車はエンジンとモーターを組み合わせた自動車であり、従来のガソリン車より燃費効率が良いため、CO2や排気ガスの排気量の削減に貢献します。
営業用車両はすでにハイブリッド車をすでに導入していますが、2023年4月にはフィールド業務用のバンタイプについてもハイブリッド車を導入しました。九州支店を皮切りに、全国の支店への導入を進めていく予定です。
エスカレータの研究開発・生産拠点である「ビッグステップ」で所有する4トントラックの燃料を、軽油からバイオディーゼル燃料に切り替え、2024年から運行しています。
使用するバイオディーゼル燃料は、従業員の家庭で使用したてんぷら油を回収し、再生バイオ燃料生産会社でアルカリ触媒法などの製造工程を経て、軽油と同等の JIS規格を満たした環境にやさしい燃料です。
家庭からごみとして出していたてんぷら油をリサイクルすることで、ごみの焼却量を削減するとともに、トラックで使用する化石燃料の使用量を削減することができます。
当社はグローバルな環境情報開示システムを運営する英国の非政府組織(NGO)のCDP(Carbon Disclosure Project)で公表された「気候変動」において、自社の環境リスクや影響について認識し、行動していると評価されたことを示す「Bスコア」評価を獲得いたしました。
CDPのスコアは、気候変動に関する対策の詳細を年1回回答することにより、Aから
D-(ディーマイナス)まで8段階で評価されます。
フジテックでは、サステナビリティの中のマテリアリティ(組織・企業にとっての重要課題)の一つに「環境負荷低減への取り組み」を掲げています。
また当社は2024年に発表した中期経営計画「Move On 5」においても、環境活動に関する目標値を公表し、2030年までに2019年スコープ1、2 ※比温室効果ガス46%削減達成を目標としています。
今後も引き続きオールフジテックで、GHGガス排出量の削減をはじめとする環境活動をさらに推進してまいります。